恋する段差ダンサー

ハイクの投稿をまとめて記事にしていました。

春採駅〜選炭工場の先端(追記あり)

というわけで前回の記事。

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予告したとおり「鉄」なお話。

子供の頃から日常に「釧路臨港鉄道(旧社名)」があったせいで、鉄ヲタの私でも「ああ、あるよねえ」的に「どうでもよかった」感があったと言いましたが、ひとつだけ気になるものがありました。

それは「先端部」です。

鉄道というのは大阪環状線みたいなループじゃない限り、必ず「始まりと終わり」があります。釧路には「釧路駅」があり、北海道内でもかなり大きめな重要拠点で、すべての方向からの全列車が釧路止まりになる「終着駅」だったのですが、にもかかわらず根室本線の途中にあるため「終着駅」という感じする作りにはなっていません。

みなさんご存知の「阪急梅田駅」みたいな「これこそターミナル駅だ!!」みたいな光景は、自分の身近な場所では全く望めなかったのです。なので、そういうものに子供の頃から憧れていました*1

実は小学生の頃、この鉄道の存在を知ったとき「臨港鉄道」時代の両「終端部」、つまり「城山」駅と「入舟町」駅に行ってみたい!と両親や先生に懇願したことがあります。でも当時は叶いませんでした。

余談ですが、長崎駅は「終端」ですね。この先がないので「終わり」です。JRでは珍しいと思います*2。初めて見たとき「おお。これが終端か…」と感慨がありましたよねw


というわけで、この釧路の石炭列車も「ループ」ではない以上、どこかに始まり(もしくは終わり)があるはずです。

そして、その先端部があるとするならば…。
列車が終わっている春採駅の選炭工場のどこかにあるに違いない!
そう思ったわけです。


★「終端部」捜索

というわけで!
廃止の報を受け「鉄路が朽ち果てる前に行かねば!」と急いで先端探しに出かけました!まずは終着駅(始発駅)である「春採駅」の様子から紹介!


国鉄とは関係ない歴史があり、また石炭列車専用にするために、それに特化した進化を遂げたことから、今となっては国内では珍しい機関車があることで有名でもあります。いくつかの機関車は「輸入」だったはずです*3

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デザインも可愛いです。
ライトが「芋虫の目」みたいですね。
 

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構内の様子。
右上の細長いものは石炭を運んでるベルトコンベア。
選炭工場に繋がっています。
昔はこれも鉄ヲタには有名な「ナロー」の引く鉄道でした。

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選炭工場の正面から。
右上。工場の上に架線が見えます。
ナローの貨車が通っていた跡が当時まだ残っています。


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そしていよいよ!
石炭を詰む貨車が入っていく「選炭工場」真下へ。

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上記の位置から春採駅構内方面を望む。

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線路上から「選炭場」の石炭積み込みエリア。
扉が閉まっています。
ココに貨車が入り、上から石炭が「ズサー」と落ちてきて積み込まれるんだと思う。
(たぶん)

この工場を突き抜けた向こう側に線路の終りがあるはず!?

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突き抜けた反対側に回ってきました。

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まっすぐ後方(撮影背中側)に伸びています。

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工場を見ながら後退していく。
意外に長く続いています。

振り返って終端方面を観てみる。

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終端部と思われる方向に線路が伸びています!
何やら整備用(?)の機材車のようなものが置かれている。

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かなり工場から離れてきました。
だんだん埋もれたり線路が錆びてたり。
整備車両からコッチ側は明らかに使っていない様子。

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また振り返り終端部方面。
遂に線路が草に埋もれてしまいます!

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もう少し終端部へ。
再び地面の間から線路がところどころ出てくる。
しかし終端あたりは混沌としている…。

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このまま埋もれて終了!?

と思って諦めかけてたとき!
突起物が目に入ります!!!

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ああ!!!
これ「線路の終わり!!だっ!!!」

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そうして、もう一度引いて見ると…。

選炭工場下から伸びて来ている線路が。
しっかりココまで続いて車止め!
確かにここで終焉していることが判明!!


いやーすごい。

というわけで。
見事に今回、石炭輸送列車の「先端部」を発見できました。

「ココが終わりだ!!」という主張はありませんでしたが、なし崩し的に「この辺が終わりということで」みたいに終止符を打った感が、なんだか最果ての線路ぽくて哀愁感あってよいです。やっと希望が果たせたなあ。


実は子供の頃の記憶では、もっと先まで貨車の留置線が伸びていました。でも今回、記憶と場所を照らし合わせて見たのだけど、それは別な留置線だったかもしれないし、この線路だったかも知れないし、いまひとつ記憶はハッキリしませんでした。それはそれとして、選炭工場から伸びていた直通の線路は、ココがしっかり終わりでした。

本来であれば、もっと昔に東釧路〜城山方面まで続いていた本線があり、選炭工場に入る線路は春採駅構内からの支線みたいな扱いだったと思うのですが、知人〜春採間を除く路線は全部廃止になってましたから、この支線が事実上の「本線」終端になっているわけです。


★石炭列車。廃止のその後。

石炭列車が廃止になって、「もったいないから観光列車でも走らせたい」などという動きもあるようですが、人があまりいないエリアを通るだけだし、春採湖沿岸を走るのは風光明媚も望めるかもだけど、果たしてそこまでの需要があるかどうか。
もと釧路民としては「ネイティヴ市民にそんな粋な趣味があるわきゃねえw」と思うので、難しいでしょうね。長崎における私がそうされたように、他所からの移住民に頼ってみるしかなさそうです。


★…と思いましたが。

www.hokkaido-np.co.jp
力及ばず…夢のまた夢。
Farewell。


★2019年9月の追記。
あっという間に線路も剥がされ。
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更地にされています!
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剥がした線路はこのとおり。
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★続き!

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*1:似た感じのものとしては、川の源流の始まりや国道の起点とかも好きです

*2:あとは阪和線天王寺くらい

*3:米国ゼネラル・エレクトリック社製のノックダウン生産と判明