恋する段差ダンサー

ハイクの投稿をまとめて記事にしていました。

食べられた釧路はハイカラ味。

釧路を食べられなかったシリーズ。

karamandarine.hatenadiary.jp


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苦手だった魚介類でしたが、父との思い出のこともあり寿司だけは美味しく食べたのだという話を前回書きました。

ではそれ以外に私は、釧路では何を喜んで食べてたでしょうか?

それはずばり。
こういうものでございます。

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今や釧路のソウルフードとなった「泉屋」!

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釧路名物「鉄板スパゲティ」。

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その中でもダントツ有名な「スパカツ!」

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山盛り!

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凄まじいですね。

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ジューシィなミートソースにカツ!

こう書きますと「なーんだつまんない。ベタすぎやろ」と思うかもですが。

違います!

まだ全国に泉屋がまったく知られていない、今みたいにB級グルメとかご当時グルメとかがまったくない時代から、私達はこれらを「美味い美味い」と食べていたのです。今ありがちな「作られたご当地グルメ」ではありません!私が幼少のはるか昔から、みんな好きでこれを食べてたんです!

今振り返ってみると、釧路の街が景気がよく、大勢の人が集まっていた時代、釧路は地域随一の都会でありました。人々も洒落てて垢抜けてたし、そんな街の有志子息が通ったのが、私も通った国立小学校でした。そんな私達は、まだ他の人が魚などを主に食べてた時代に、家でも外でも「ハイカラな」洋食を食べてたんです。

上記泉屋のサンプル写真がありますね。実はスパカツだけの店ではありません。洋食レストランとして、様々なハイカラメニューもあるのです。
もちろん泉屋だけではありません。トキワグリルとか、まさに昭和洋食みたいな、いま銀座にありそうなレストランがいくつもあったんですね。そういう場所にお洒落して食べに行くのが常だったんです。

友人の家に遊びに行っても、出てくるのが自家製ピザとか、そんなハイカラメニューでしたし、我が家で出されてた食事も洋食が多かった記憶があります。私の好みに合わせたんでしょうけどね。母は看護師免許を持っており外で働いていましたので、いち早く冷凍食品を取り入れた家庭でもありましたが、それもハンバーグなどの洋食が多かったです。

こういう言い方をすると嫌味になるんだけど、当時の私達は「魚などを食べるような野蛮な人たちとは違う」という選民意識というか、田舎もんじゃねえよ、みたいなプライドを(周りのオトナから)刷り込まれてた気がするのです。それくらい当時の釧路は「都会だった」ということです。そうね、帯広なんか田舎だってバカにしてたしなあ。今じゃ信じられないけどw 

まあそういうわけなので、漁業の町ではあっても景気がよかったから他の産業も十分栄えており、漁業に依存せずにハイカラな文化を嗜むことが出来たということなのよね。


他にも釧路といえば。
東家の蕎麦。

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これもベタですが、昭和天皇が食べられた、ということもあって、ハイカラ趣味としてよく通っていた気がします。泉屋と同じく、あとから作られたグルメではなく、もともと町の人々が愛していたものです。
…というか当時は、市内の蕎麦屋って「ほぼ東家」しかなかったんだよねw
すごいよね。*1

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かしわ蕎麦。

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ざる。
そう!これが有名な釧路名物「緑の蕎麦」です。
ずっとこうなんです。
だから釧路民は「そばといえば緑色である」と思ってる人も多いです*2

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七味をかけて。
ちなみに北海道では唐辛子を「なんばん」と言いますねw

なお、東家の総本店「竹老園」子息は私の同級生でありまして、今が何代目かは知らないけど、その当主の弟になります。こんな不景気時代にハイカラ釧路の文化を引き継いでいくのは大変でしょうね。頑張って欲しいですが。


あともベタばかりなんだけど「ザンギ」。
鶏の唐揚です。
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こういうものはほんと美味しいね。

釧路で、知人の家で出された「ザンタレ」は、このザンギを元に「最近」開発された新メニューですね。なのでザンタレは「作られたグルメ」になりますが、元々はこのザンギです。

というわけで私も「最近の流行り」ザンタレが気になって、街で食べてみました。これは最近です。
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お祭りの屋台でも出てくる定番メニュー。
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結構ハイカラというか、濃いメニューばかりですよね。寒いからね。温まってこってりしたものが好きなのだろう。それがまた「子供の舌」に向いてたんやろねえ。


さて余談ですが、前述の泉屋。
スパゲティもスパカツだけじゃないです。定番イタリアンやミート、ボンゴレなどの他に「泉屋風」というのがあります。最近はもっぱらこれを食べます。スッキリ塩味というか、不思議な五目焼きみたいな味です。高校時代の私達は「余りものをぶっこんだだけじゃないのか?」などと言ってましたがw そんなことはないと思います。
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このとき10年ぶりくらいに食べたんだけど、あまりに美味しくて、これだけでビール大ジョッキ3杯飲んでしまったのよw こんな素晴らしい食べ物はないわ!と感動して帰りましたね。たぶんスパカツより美味しいです。


最後になりますが、竹老園にいるのは同級生、という話繋がりで。
実は白糠にある「やはた」らーめん。ココの店主も同級生であります。
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これは厳密には釧路ラーメンと呼んでいいのかわからないけど、その流れをくむ「細麺&醤油味」というスッキリラーメンですね。中学のとき初めて食べて「これすっごい美味い!」と思ったなあ。遊びに行くといつも昼ごはんに、おやっさん(同級生父)が出してくれたんですよ。

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30年ぶりくらいで味わった醤油味。

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2年後くらいに訪問して食べた味噌味。

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そのまた数年後に訪問して食べた塩野菜ラーメン。
そしてぎょうざ。


いかがだったでしょう。

魚の味はわからない私ですが、こうして釧路グルメは意外に楽しんでたのやね。わざわざ魚介類を食べたいと思わなかった理由がわかりましたでしょうか。

故郷を出たばかりの頃、北海道は東日本なので、東京と共通性がある「東日本味」なのかと思ってたんだけど、その後、関西〜東京〜九州といろいろ移り住んでみて「北海道味は意外に西日本と共通点がある!」と思うようになりました。少なくとも「関東の味」ではないです。

そんな気付きも、全国を渡り歩いて知れることやね。
まだまだ人生に楽しいことは残ってそうだぞ!と。


以上!

*1:暖簾分けして釧路市内のいたるところに支店がある

*2:ちなみに緑のそば元祖は「かんだやぶそば」らしい→ 
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