恋する段差ダンサー

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芸事とは裸になること

こないだ見た音大のミュージカルが「芸事に関する内容」だったので色々考えてる。

その道のプロとして スペックが高い というのは当然魅力の一つだし、そういうヒトを僕も尊敬はするけども、「プロの芸事」と括ると「やっぱり総合力」でしょうと思った。

僕は「何かが上手い人が好き」です。「ヘタウマがいい」みたいな「インチキなコト」は昔から言わない。真の意味で「上手い」ヒトが好きです。

そのうえで「ちゃんと表現力があるか」「創作物至上主義になってるか」ということを見てるんだと思う。

で、それらを評価するときに「創作物がいい > 表現力がある > 上手い(スペック高い)」という評価の順番になるんですよね。だから最初の 2つが劣ってて「上手い」しかない人は「だから何?」とは思うけども、だからといって「下手なのが好きなわけではない」。

地方都市にいると「ただ上手いだけのヒトが持て囃される傾向(地方レベル)」がよくあるんですよ。これは僕自身の故郷でも一緒でした。「うまいうまい」「すごいすごい」ってみんな言う。でも、そういうヒトが上京して何かになったという話は聞いたことが無いです。あくまで「地元のヒーロー」なの。

ただ、地方在住で耳が肥えてて、そんな「上手いだけの音楽に」文句言ってるような音楽家も、「地方だから」そんなこと言ってられるので、そういう行為も「天に唾棄するようなこと」なんですよね。

そもそも そういう競争じゃないってことです。

そんなことに拘ってるから地元民にバカにされて、集客とか、東京からの有名人に持って行かれるわけで。そんなスペック主義の連中よりも「ストリートでガナってる若い子」のほうが、ちゃんとファンもいるし、ちゃんとメッセージが伝わってます。いくら下手でもね。

それに!「テクニックは訓練でうまくなる」ので。しかし「感覚は治らない」。そんな簡単なものじゃない。ってことかな。


…というようなことをいろいろ思い、左右に揺れてた僕の気持ちが、また「真ん中に戻ったような気にさせられた」ミュージカルだった。ちょっと疲れてたんだが、頑張って見に行ってよかった。無料だったしなあw

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そうそう。それから、この音大ミュージカル、オーケストラピット内にいて客席から殆ど見えないバンドのメンバー(20名位)が全員、ちゃんと「芝居のコンセプトに則った和装」をしていた!というのが、実は僕の「一番の感動のツボ」だったのですよ。

僕は昔から、こういう「本気で吹っ切る」ということができない人だったのですよ。その辺は「裸になった話」と共通します。何事も本気になれなかった。だから、音楽でも達成することができなかった、ということでしょうね。

何かをする場合、一緒にやってる誰かが「自分より切れている」というのは 大変重要 です。あいつが本気だから、こっちも本気を出せる となるわけ。団体で何かをする場合「全員が同レベルで」力を出さないと「バランスが悪く」「よいものにならない」のです。

僕の場合、幼少の頃から、何かをすると「必ず親などに突っ込まれる」という特殊な家庭環境でした。なので、まず「気が散らずに本気で没頭する」ということがとても難しかったのです。
それから、成長してきて、ある特異分野に特殊能力があるようだ、と気づいた時には、今度は、それを本気でやると「周りが誰もついて来ない」と思って、そこも出し惜しみしていた。

それからもうひとつ。これは誰でもそうだけど、もし本気になった場合に「それが否定されたら」次はもう「心の支えがなくなる」でしょう。それこそ「明日から本気出す」「まだオレ本気出してないから」というのが エクスキューズ なのです。だから怖かった。

これらの要素が混ざり合って「ずーっと中途半端なまま」音楽やら何やら、僕は続けてきたんだろうなと思う。そういう意味では、最後の最後で「キミ好き*1」で本気出した時は、本当に「背水の陣」で、これやっちゃったら「もう次はないよ」という覚悟があっただからこそできた

それは前に書いたけど、前年の阪神淡路がでかいです。こうやってヒトは「いきなりこの世から消える」のだ…。と。で、「今の私、何も残してない、自分が生きた証が何もない。こんなんじゃあかん!」と思ったんだよね。だから、僕にとっては「キミ好き以降の曲は 全部遺言」ですよ。これが最後で「自分が死んでも後悔はないよね?」と常に自問自答しながら、ひとつひとつ作ってた。

それがね、やっぱり長崎時代の 7年間で「徐々に失われて」きた。むかし本気を出せなかったのと「同じ理由*2」です。自分、もとに戻っていってるんじゃん。だめじゃん、と思ってた。それは今思うと辛かったよね。

だから、こういう「全員本気のプロジェクト」とか見ると「そうそう!」って思う。「そうなんだよ、これが大事なんだよ!」と「すっごく」思うわけ。だから「いいもの観たなあ、ありがとさん」という気持ちです。

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★関連karamandarine.hatenadiary.jp

*1:僕が事務所にスカウトされるキッカケになったオリジナル曲

*2:自分が周りから浮くのが怖かった