恋する段差ダンサー

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ライブで聴く「加爾基 精液 栗ノ花」〜 2


椎名林檎のサードアルバム『加爾基 精液 栗ノ花』収録曲をライブバージョンで聴く特集。

2度目のライブ披露は、いよいよバンドによる演奏が炸裂!初の武道館ライブ「雙六エクスタシー」です。このバンドは後にそのまま東京事変となりました。


前回も言ったとおり、僕は「カルキ」をビーチボーイズのスマイルのようなものだと認識してます。個人的には楽しい作品と思うし名盤と思うのですが、サウンドコラージュや音世界が混沌としてるため、一般的にはあまり受け入れられず、それを残念に思っていました。

ライブバージョンというのは楽曲のエネルギーや本質を、直球でオーディエンスに伝えるため、とても分かりやすいのではないかと考え、また、アルバムを、その形態でしか創りえないようにカッチリ作った後、それのライブ解釈として、または翻訳という形で再提示する、という方法論は、これも素晴らしいものだと思います。

前回の九段のライブは、ビッグバンドによる演奏でしたので、これもリスナーを選んだ面もあるかもしれません。そこで今回は、満を持してのバンドスタイルでの披露となります。事変のメンバーによる爆裂バージョンの数々は、観る者も聴くものも圧倒させるものだと思います。また、これによって、カルキの曲って、こんなにすごかったんだ…、と再認識した人も大勢いたと思います。


この武道館ライブは、カルキ後の初の本格ライブであり、ツアーでもあったのです。実際にこれを見られなかった方、僕も含めてですが、そういった方々のために、DVDという形で、それを確認できることは至福であると思います。コンセプトアルバムのライブ演奏、というコンセプト。これは非常に興味深いです。サージェントペッパーはそれが行われませんでしたが、前述のスマイル、ペットサウンズ、そしてピンクフロイドの狂気など、再演できたものもたくさんあります。また、スタジオバージョンがショボいものでも、ライブでよみがえる、ということはままあることです。

そういったことも含め今回の特集はいろんな事を教えてくれるのです。



追記。
2003年9月27日。僕はこの日の「正しい街」の演奏を武道館の外で聴いていました。うっすら聴こえてくるコード進行と爆音に「そうか、そう来るのか」と思った記憶があります。僕が初めて椎名林檎と出会った日だったのです。